一方、近代的な沿岸基地の航空機、対艦ミサイルの攻撃距離は第二次世界大戦時の想像を大きく超えるもので、海岸線の防衛には航空母艦、大型の海軍艦艇でさえ必要ない。空母や他の大型艦艇は海上の機動攻撃力として、本国の海岸線から遠く離れた海域の敵を消滅させるか、遠洋の護衛、哨戒などの任務にあたる。防御型の海軍ではあるが、空母は海岸線の防衛という「消極的な防衛」ではなく、「攻撃と防衛」、「主体的な防衛」という考えを体現するべきだ。
そうしたことから、空母を南沙諸島の防衛にあてるというのは正しい考え方だ。海南島や上海の防衛にあてるのはあまりの浪費だ。そうした状況下では、艦載機と沿岸基地の航空機の実戦効果はほとんど変わらないか、後者に劣るからだ。
中国がどれだけの空母を建造するかは、海軍の戦略的必要性、特に遠洋作戦の配備交代などによって決まり、中国の海岸線の長さとは関係ない。海岸線の長さを空母の数に関連付けるなら、清末期の北洋艦隊の「北京防衛」、「港湾防衛」戦略と同じ轍を踏み、最終的には海を機敏に移動する敵に破れることになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月2日