中国海監総隊には、ここ数年で数隻の1000トン級の海洋監視船が配備されたが、全体的にトン数はまだ小さく、配備数も少なく、1000平方キロの海域に1隻を配備するレベルに達していないため、新時代の中国の海洋資源の保護と海洋権益の維持・保護のニーズを満たすことはできない。
中国海洋報によると、特にここ数年、中国の東中国海、南中国海などの海域で争いや対峙の発生が増えている。たとえば、外国籍の観測船による中国の権益侵害、釣魚島での漁船衝突、渤海での原油流出などの突発的事件は、海洋監視船が真っ先に対応する必要があるが、現在の能力では非常に難しい。
2010年に釣魚島周辺で発生した漁船衝突事件はそれをはっきり示している。事件発生後、中国政府は漁政執法船を送ったが、現場に着いた時には中国の衝突された漁船と漁民は日本側に拘束され、漁政執法船が日本海上保安庁の巡視船から大いに監視、妨害された。大型の執法船が不足しているため、中国は日本海上保安庁のように敏感な海域において24時間体制で監視できず、突発的事件が発生した際に迅速に有効な措置をとることができない。
中国の海洋執法船
航行速度を高めるべき
海洋権益維持の法執行能力を高めるため、中国は向こう5年で36隻の海洋執法船を建造する計画だ。次世代の海洋執法船の導入に伴い、中国の海洋監視船のトン数、航続力、性能などは大幅に向上すると見られる。
配備数を増やすと同時に、航行速度も高め、突発的事件の発生後に真っ先に現場に到着して対処するため、次世代の小型海洋監視船は30ノット前後の高い航行速度を備えるべきである。大・中型海洋監視船については、最高速度を25ノット前後、適度な航行速度での航続力を4500海里以上にし、全海域で巡航する能力を備えるべきだ。
そのほか、次世代の海洋執法船の標準化を図る必要がある。同一または類似の設計、生産手順、動力を採用し、各ニーズに合わせたモジュール化技術の改造を行い、さまざまなニーズに応じる。また、船舶の部品の単純化、汎用化に努め、補修や育成の難度と時間を削減する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月1日