中国国務院の温家宝総理は28日、国務院常務会議を招集し、「7・23」甬温線特別重大鉄道交通事故の調査報告を聴取した。
調査の結果、「7・23」甬温線特別重大鉄道交通事故は、列車コントロールセンターの設備の設計に深刻な欠陥があったこと、導入前の検査が厳格に行われなかったこと、落雷による設備の故障の緊急対処能力が欠けていたことなどによる業務上の過失による事故と認定された。
事故原因として、以下の点が挙げられた。
・中国鉄路通信信号集団公司の傘下・通信信号研究設計院の列車コントロールシステム「LKD2-T1」開発中における管理の乱れ、通信信号集団公司の甬温線通信システムインテグレーション請負業者としての職責履行が不十分だったことが、温州南駅の設備設計の欠陥と重大な危険を招いた。
・鉄道部は、列車コントロールシステム「LKD2-T1」の入札、技術審査、使用などにおいて規定違反が存在し、十分な検査が行われないまま同システムを導入した。
・落雷によりコントロールセンターの設備と路線の電気回路が故障し、信号が誤表示されたために危険な状態となった。
・上海鉄道局の鉄道関係者の安全面の意識は高くなく、設備故障後に職責を的確に遂行できず、対処が不十分だったことで、回避可能だった事故や損失軽減に役目を果たすことができなかった。
また、事故後の救助における、鉄道部と上海鉄道局の不適切な対応、情報開示の遅れ、社会の疑問への不的確な回答などの問題は、社会に悪影響をもたらした。