米国人の失業 中国のせいにしてはいけない

米国人の失業 中国のせいにしてはいけない。

タグ: 米国 失業 中国 

発信時間: 2012-03-07 10:12:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

手の施しようのなくなった米国の政治家たちは近ごろ、その失策を中国のせいにしようとしている。大統領選を控え、共和党の候補者たちは相次いで中国を話題にし、世間を騒がせた。これを受け、オバマ大統領もついに中国に対する一般的な指摘や批判をエスカーレートさせ、米国の経済問題の責任を自分自身でなく、遥か太平洋の向こう側の中国になすりつけようとしている。大統領候補者たちは競って中国を批判し、中国に強硬姿勢を示すことによって票を集めたい考えだ。

「中国の労働者たちが米国人の雇用を奪った」というのは、一部の米国の政治家がよく公衆に言い聞かせる言葉だ。この見方について、専門家たちに意見を聞いた。

バブル崩壊で雇用が激減

高い失業率は米国政府や社会の巨大な負担となっている。ここ2年来、米国の失業率は9%以上の高水準で推移し、昨年は9%で前年より0.6ポイント低下した。失業人口は1439万人から1310万人に130万人減少した。最新のデータによると、今年1月の米国の失業率はここ3年で最も低い8.3%まで低下した。

実際、ここ十数年、米国の労働力市場は従来の活発で柔軟な内的メカニズムを失いつつある。その原因について、次の点が挙げられる。まず、米国の構造的な失業問題が長期にわたって存在していることだ。BRICs諸国をはじめとする新興工業国が徐々に世界の経済システムに溶け込むのに伴い、米国は世界範囲での資源配置の効果やより高い競争力を追求するため、業務のアウトソーシングや海外移転を加速させた。そのうえ、米国は長期にわたって緩和的な金融政策や消費刺激政策を実施し、新興国の安価で良品質の商品を絶えず輸入してきた。ところが、リストラされた労働者に働き口を提供できる米国の新興産業の規模はそれほど大きくないため、構造的な失業が生じた。もう一つは、不動産バブルの崩壊が失業率の上昇に直接つながった。好景気だった時期、不動産業は雇用創出に大きな役割を果たしたが、金融危機の影響でバブルが崩壊した後、雇用も激減した。また、情報化とグローバル化も企業のポスト削減やリストラに拍車をかけた。

自国の経済問題を振り返るべき

米国の高い失業率の原因は、仮想経済の崩壊や債務危機だと専門家たちは見ている。

サブプライムローン問題に端を発した金融危機は、米国の失業率の上昇に直接つながった。2002年から2008年まで、米国の失業率は4.5%-6.0%の間で安定していたが、危機の影響で、2009年5月の新規失業者数は34万5000人、失業率は9.4%に急上昇し、ここ25年で最悪となった。

国務院発展研究センター学術委員会の呉敬レン氏は、「低すぎる貯蓄率と高すぎる消費率が米国経済の根本的な問題」と指摘。金融システムにおいて、米国のすべてのデリバティブは総額400兆から500兆ドルである。それが原因で、世界金融システムの中にバブルが溢れ、企業の貸借対照表のレバレッジ比率が軒並み高くなった。資産は債務と資本からなるが、膨大な資産があっても実際は債務が多く含まれ、自己資本はごくわずかである。そのため、レバレッジ比率が非常に高く、仮想の紙面上の財産が大きいのに対し、それ相応の物的財産はない。仮想資産がバブルを招き、バブル崩壊で不景気になり、失業率が上昇したのである。

米国は自国経済の弊害を振り返り、構造的な問題を解決すべきで、それこそが雇用危機の正しい解決策である。中国を話題にして国内の矛盾を移し、国民の注意をそらすやり方は、アンバランスな心理状態にあり長い目で見ていないことを示し、無駄な努力である。

 

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