中国第三世代原子炉「ACP1000」がこのほど世界で公開された。四川省綿陽市で中国科学技術城科学技術博覧会に出席中の、中国核工業集団公司の関係者は14日、「ACP1000はすでに2013年末に稼働開始する条件を整えており、同時に多重の防護措置により福島原発のような事故を防止する能力を持つ」と語った。
ACP1000は中国核工業集団が、中国の原発事業の30年間に渡る技術的基礎を元にし自主開発した、先進的な加圧水型原子炉だ。その一次設計は2013年4月に国家核業界の権威ある専門家の審査に通過し、9月末に中国産第三世代原子炉ブランドとして、国際原子力機関(IAEA)第57回大会で世界に公開された。
ACP1000は設計の中で「非能動」の事故処理措置を追加し、福島原発事故を起こした地震や津波、およびそれによる原発全体の停電の中でも安全を保障できるようにした。
中国核工業集団の関係者は、「いわゆる非能動とは、電源ではなく重力・温度差・密度差などの自然の力により流体の流動や熱伝導などの機能を実現することだ。起こりうる水素爆発、メルトダウン、安全シェルターの超高圧状態、安全シェルター底部の溶解、発電所全体の停電などの事故について対策を講じている」と説明した。
ACP1000は完全な知的財産権を持ち、輸出契約を締結している。現時点で、1基目を2013年末に稼働開始する条件を整えている。1基目は設備の国産化率を85%以上にする目標を打ち出しており、国内の設備製造レベルの上昇とコスト削減を促す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年10月15日