◇新幹線「安全神話」の前提
何らかのトラブルが起こった場合、新幹線は停止する。これは、日本の常識であり、その運営者たちが確実に実践していることでもある。私が新幹線で地震に遭った時、他の乗客はみなとても冷静だった。日本人は新幹線の「安全神話」を信じている。その前提は、トラブルの際に新幹線が止まることを知っているということなのだ。
更に特筆すべきは、3・11大地震では脱線や乗客の負傷が全くなかったにも関わらず、日本のメディアがこぞって新幹線の安全性を疑問視している点である。ある新聞の報道によれば、地震の際、新幹線の路線や高架等およそ1100ヶ所に問題が生じたという。東日本鉄道会社も自ら車両や信号系統等に電気を供給する電線の470ヶ所が切断し、線路のゆがみが20ヶ所程度に及んだことを認めている。
そのため、マグニチュード9.0の地震で脱線や乗客の負傷が発生しなかったにも関わらず、東北新幹線の運転再開は、地震発生から実に49日も後のことだった。
2004年の新潟県中越地震の際には、列車の脱線事故が起きた。その後、新幹線全線の橋梁は全面的にチェックを受け、問題のある部分は強化され、鉄道や信号系統も繰り返しその安全性を確認されることとなった。事故発生から66日、絶対的な安全の確保を確認できてはじめて日本政府はようやくその路線の運行継続を許可した。
◇何よりも重要な「停止」
新幹線事故は、私たちに「停止」することの大切さを教えてくれている。地震発生前に警報に従って車両を停止させることも、事故発生後、路線の運行を停止して全面的検査を行うことも、大変重要なことである。
1995年、地震により大阪付近の橋梁が倒壊した。2004年、日本は地震による橋梁倒壊事故を根絶したが、今度は列車の脱線事故が起こった。2011年、史上最大の地震において、今度は列車の脱線事故さえも封じ込めてしまったのだ。
「停止」することが、日本の「安全神話」の高い信頼度を支えている。日本のメディアは相変わらず新幹線の隠れた危険性を指摘しているが、乗客たちは新幹線を信じている。これこそ、その透明さと真面目さの力によるものである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月6日