文=コラムニスト・陳言
東京電力原発事故、自動車メーカーの大規模リコール(回収・無償修理)、家電メーカーの延べ1億人分を超える個人情報の流出に続き、10月末に又日本企業の驚くべき問題が明るみになった。
日本の製紙業界大手の大王製紙前会長が巨額の資金を海外のカジノに使っていたほか、光学機器メーカーのオリンパスが多額の損失を隠し、虚偽の情報開示を行っていたことがわかった。
「日本の失われた10年或いは20年を論じる際、頻繁な首相交代劇に目がいきがちだが、今日本企業は様々な問題を露呈している。企業の価値観の喪失は、制度疲弊の必然的な結果といえる」。日本企業研究院の顔志剛秘書長はこう話す。
◇カジノにはまった大王製紙前会長
日本の製紙業界ナンバー4の上場企業、大王製紙は貧しい四国の家族企業から始まり、多くの四国出身者の誇りでもある。創業家3代目の井川意高氏が07年、42歳で社長に就任した。
この東京大学法学部卒の3代目は大のカジノ好き。たびたび東京と澳門(マカオ)を行き来するだけでは飽き足らず、ラスベガスまで行き、VIPルームで最高額の賭けに興じていた。問題はカジノに使う巨額の資金を大王製紙の関連子会社の口座から井川氏の個人口座に振り込み、カジノに使っていたことだ。監視管理がまったくなされていないことに驚くばかりだ。
◇謎だらけのオリンパスの企業買収