日本にとって中国はチャンスか脅威か

日本にとって中国はチャンスか脅威か。 中国の経済成長が減速すれば、世界的な後退になる可能性があるだけでなく、震災後の復興を急ぐ日本経済にも大きな打撃を与えるという。米国と共同で中国に対抗することにどんなメリットがあるのか、日本の有識者は冷静に考えるべきではないか…

タグ: 日米防衛協力 ガイドライン 改定 中国

発信時間: 2012-02-08 11:49:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

2012年は中日国交正常化40周年と「中日国民交流友好年」にあたる。辰年の春節、多くの中国人観光客が日本を訪れ買い物をし、昨年の福島の原発事故で低迷していた日本各地の観光業は勢いを取り戻した。ところが、元宵節が過ぎてすぐ、日本は米国と共同で中国に対抗する動きを活発化させた。7日付の日本『産経新聞』は1面で、日米両政府は「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の再改定について協議中で、今年4月の野田佳彦首相の訪米の際に新たな日米安全保障共同宣言を打ち出す方針だと報じた。また、日米両国が中国を仮想敵として共同作戦計画を策定することも伝えられた。冷戦終結から20年以上が経つが、こうした報道には身震いを覚える。

報道によると、米国が沖縄駐在の海軍陸戦隊の配置見直しに着手したことから、日米両政府は自衛隊と米軍の任務・役割分担を修正する必要があるとの認識で一致した。6日にワシントンで開かれた日米外務・防衛当局の審議官級協議では、在日米軍の配置見直しが話し合われたほか、ガイドラインの改定を加速する方針が確認された。ガイドラインの改定は、2010年末に日本政府が策定した「防衛計画の大綱」と米政府が1月に公表した「新国防戦略」に基づいて行われる。新「防衛計画の大綱」は中国を日本最大の潜在敵国と見なし、日本の防衛の重心をロシア北東地域から中国に近い南西地域に移し、動的防衛力を構築し南西諸島の防衛を強化することを強調した。米国の「新国防戦略」にも明らかに中国を対象とした内容が盛り込まれている。米軍は部隊と支出を削減する方針を固めたが、アジア太平洋地域での動きを強めている。

ガイドライン改定の重点となるのは、中国による米軍の北東アジア進出を阻む「接近阻止」戦略への対抗策である。日米は定期的な情報収集・監視・偵察(ISR)業務での協力を強化し、潜水艦の探知能力を高め、中国による海上民兵を投入した離島侵攻に迅速に対処できる態勢を構築する。また、在日米軍基地の共同使用範囲を拡大し、共同作戦能力を高めて米軍の負担を軽減する。共同宣言には、オーストラリアや東南アジア諸国連合(ASEAN)との対中包囲網構築などの中国をけん制する内容のほか、武器・装備の共同開発も盛り込まれるという。

日本の玄葉光一郎外相は7日、記者の前で、日米両国が野田首相の訪米の際に日米安全保障共同宣言を打ち出すことを否定したが、『産経新聞』の報道に根拠がないわけではない。オバマ政権が近年強調している「アジア回帰」は日本をほっとさせている。中国の迅速な台頭に、日本は自分の力だけでどうにもできず、米国のアジア回帰は同地域での影響力を維持する助けとなる。ただ、米国のアジア回帰戦略は、日本が防衛予算を大幅に削る中で打ち出された。日本が米国の回帰を望むのであれば、更に多くの資金を投じなければならない。今回のガイドラインの改正は、言ってみれば日本の自衛隊が担う任務を増やし、自衛隊と米軍の絆を深めることが目的だ。米国にとっては、少ない資金で効果的に中国の台頭を抑止できる。また、日本は自衛隊の作戦能力を高めると同時に、中国の「脅威」への対処に米国を引き入れることができ、一挙両得といえる。

では、中国の発展は日本にとってチャンスなのか脅威なのか。中国が日本にもたらす脅威はどの程度なのか。おもしろいことに、『産経新聞』の例の記事の下に、IMFが中国の経済成長は急激に減速すると予測した内容の記事が掲載されている。中国の経済成長が減速すれば、世界的な後退になる可能性があるだけでなく、震災後の復興を急ぐ日本経済にも大きな打撃を与えるという。米国と共同で中国に対抗することにどんなメリットがあるのか、日本の有識者は冷静に考えるべきではないか。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月8日

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