自慢のブランドは昔の事
1Ghzプロセッサを搭載し、800万画素のカメラレンズ、OSはAndroid2.3と価格が5000元近くのNEC909eにはそこまで卓越した仕様はないように思える。一番のセールスポイントである「軍事レベルの防塵・防水・防振」仕様を除けば、あとはNECのブランド名だけである。
以前、NECモバイル端末事業部の市場責任者はメディアの取材に対し、「中国に再進出したNECの携帯はハイエンド路線を維持するつもりだ。その理由として、NECには既に良質な高級ブランドのイメージが形成されているからだ」と断言していた。事実そうなのだろうか?
NECの携帯端末が中国市場から撤退した1年後の2007年、NECのノートパソコンも撤退した。その時点で、消費者側にとってのNECブランドは、ディスプレイなどの細かなIT製品でしかなくなった。中国に残っている事業はプロジェクター、サーバ、多言語音声コミュニケーションプラットホームなどの主に企業向けの製品だけである。
昨日記者は20名の20-45歳の一般の消費者を対象に、NECのブランドイメージについての意見を聞いた。そのうち10名がNECを知っていたが、NECが中国でどんな製品を発売しているのかは知らなかった。4名はNECがディスプレイを販売していることを知っており、他の6名はNECのブランド名さえ知らなかった。注目したいのは、その6名が20-25歳の若者であることだ。
「ブラックベリーのように、皆が名前を知っている携帯でも本当にお金を出して買うかと言えば、そうではない」広東省の携帯電話販売チェーンの責任者は言う。7,8年前なら、NECは確かに販売代理業者の中で悪くない発言権を持っていた。しかし、今の状況では、NECの携帯が市場に入るためには大金をかける必要があるだろう。「以前のブランドは確かに自慢できるものだった。しかし、ビジネスをする側から言わせてもらえば、今のNECの携帯ブランドは全く競争力がない」とこの責任者は指摘する。