英国放送協会(BBC)18日付の報道によると、中国のレアアースに対する依存を軽減するため、ベトナムは初のレアアース研究・技術移転センターを設立した。
『Vietnam.net』によると、ベトナムレアアース研究・技術移転センターは16日、ベトナムの丹鳳県に設立された。センターに完備されている技術や設備は日本が提供したものである。センターの主な任務は、レアアースの研究・採掘・加工などの先進技術を含め、レアアースの純度引き上げ、環境汚染の軽減、高付加価値のレアアース製品及びレアアースの開発・加工技術者の人材教育などである。『国営ベトナム通信社』によると、レアアース研究・技術移転センターはベトナム・日本両国の協議の結果、設立されたもので、2011年10月にベトナムのグエン・タン・ズン(阮晉勇)首相と日本の野田佳彦首相が調印を行った。
ベトナム地質学会の阮克栄博士は「50年前、ベトナムは既にレアアースに関連する研究に着手していた。しかし、ベトナムのレアアース開発が直面した最大の難関が鉱石中のレアアース含有量の低さであり、化学的に性質が似通っている元素との分離作業は困難を極めた」という。『Vietnam.net』は、レアアースの採掘にはハイテク技術が必要であり、ベトナムは他国と協力して採掘を行うことで技術と設備を取得することができるため、センターの設立は「必要不可欠な第一歩である」と見ている。
ベトナムのレアアース埋蔵量は世界3位であると予測されている。『国営ベトナム通信社』は、「潜在力は大きいが、ベトナムには未だ稼動しているレアアース鉱山がない。計画では、ベトナムのレアアース開発が進めば、将来的には日本へ輸出する予定である」と伝えている。『日本時事通信社』の報道によると、「日本とベトナムが連携してレアアースの開発を行う目的は、中国への依存を緩和するためである。中国のレアアース生産量は世界の90%を占めているが、釣魚島事件発生後、中国の日本へのレアアースの輸出は滞っている」という。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月20日