この「4つの政治文書」の核心は「歴史を鏡に未来に向かう」ことだ。この精神を釣魚島問題の処理に応用できるかで何事もなく釣魚島問題を収束できるかが決まる。日本側は歴史を湾曲することで「釣魚島は日本固有の領土」であると証明し、歴史を否定することで中日間には「争議を棚上げする」という共通認識は存在しないと証明し、現実を無視することで釣魚島をめぐる争議の存在を否定し、一方的な行動をとって日本側の主張を強化しているが、いずれも「歴史を鏡に未来に向かう」という精神から逸脱するもので、両国の戦略的相互信頼の基礎を損害し、両国の具体的協力の雰囲気を害している。
中日双方の釣魚島問題における基本的立場を短期的に埋め合わせるのは難しい。ただ国際紛争の中にあって、表向きは双方の立場は対立するが、双方の協力を促し、問題を緩和する十分な共通利益は存在する。そして共通利益または各自の利益を追求するために条件を整えることができる。これには智慧と決断が必要だ。現段階で両国は釣魚島問題をめぐって対立を強めるのではなく、共通の利益により多くの焦点をあてるべきだ。それができなければ、この問題はますます激化するだろう。中国側は利益的には事態の悪化は望まないが、立場的には事態の激化を恐れない。
中日双方最大の共通利益は平和的発展の実現にある。中国は平和的発展を長期的国家戦略としているが、日本がそれを長期的国家戦略とするかが重要な選択の岐路となる。中日両国の発展と地域協力の長期的利益に立ち、釣魚島問題をうまく処理することがきわめて重要だ。現在、釣魚島の平静を取り戻すために日本が唯一できることは、争議を認め、争議を棚上げすることだ。(作者:国際問題専門家 華益文氏)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月10日