長期的な目で見ればTPPの高い条件は経済の自由化に有利だが、先進国の一部産業でさえこの条件を満たせない状況だ。日本がTPP参加を迷っているのも農業部門が断固反対しているためである。そのため、TPPはある領域の交渉では多くの進展を遂げたが、難題はどれもまだ解決されていない。米大統領選を間近に控えていることから、TPPが近く進展することはさらにあり得ない。中国・ASEAN自由貿易区の建設が順調に済めば、中日韓の提携が課題に上げられるだろう。また、中日韓自由貿易区の建設は東アジア自由貿易協定の締結を促し、東アジア経済一体化は東アジアの世界経済における地位を高めると見られる。そのため、中日韓自由貿易区は東アジア経済一体化の要となり、米国が提唱するTPPはこのプロセスをぶち壊すことを目的としている。
アジア経済協力は開放的なものであり、アジア太平洋地域最大の経済国である米国が参加することは当然で、アジア経済一体化は米国をどのように建設的に参入させるかを検討しなければならない。一方、米国はアジアはアジア人のものであり、米国が勝手に操る植民地でないと認識する必要がある。アジアの貿易の中心は中国であり、米国ではない。アジアの一部の国が政治や戦略的な考えから裏表両方の策を講じることは避けられず、中日間の釣魚島問題もアジア経済一体化を遅らせたことは間違いないが、一時的に中断させただけである。アジア経済一体化は人の力でなく市場と地理的な要素によって推し進められているため、米国がどれだけ頭を働かせてもを完全に終わらせることはできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月16日