韓国メディアの報道によると、2011年12月に靖国神社の門に放火した疑いで日本政府が引き渡しを求めている中国人の劉強氏について、韓国のソウル高裁は3日、「政治犯」と認定し、日本に引き渡さないとする判断を下した。劉氏は近く中国に帰国する見通しで、中国外交部はこれに対し、「歓迎の意」を示している。
劉氏の引渡しを拒否した理由について、ソウル高裁は「靖国神社は、日本の対外侵略戦争を主導した戦犯が合祀されている政治的象徴性がある場所である」とし、「劉氏の犯行は政治的大義のために行われた」と強調した。また、劉氏を日本に引き渡すことは、「大韓民国の政治秩序と憲法理念だけでなく、大多数の文明国の普遍的な価値観を否定するものである」と指摘。これらの言葉は、責任逃れでも何でもなく、韓国全体の「真実の民意」を反映するものである。
朝鮮半島は日本に統治されていた歴史があり、韓国の人々は、日本が統治時代の歴史を直視しない態度に、大きな不満を感じている。そのため、日本が劉氏の引き渡しを利用して、靖国神社を美化し、侵略戦争の歴史を正当化しようとする行為にも反発していた。韓国政府がこういった強い民意を配慮するのは当然のことであり、そうしなければ、国際社会において「筋が通らない」だけでなく、国内でも道徳的見地から避難されることは間違いない。