安倍政府は、隣国を怒らせ、国内の民族主義的感情を容認する別の方法を見つけた。安倍首相は、日本軍が戦争中に中国と韓国から慰安婦を募集したという十分証拠がある行為を否定し、さらに、戦争犯罪を謝罪する声明を「修正」したい考えまで示した。日本のある右翼シンクタンクは、このような行動で日本はいわゆる「謝罪外交」から抜け出すことができると主張する。近ごろの事態の変化は「謝罪しない外交」とも言える。
日本の政治家が靖国神社参拝を続ける理由は何か。民族主義的感情をあおっているのか、それともただ選挙に勝つためなのかわからないが、その選挙形式にあるように、民衆の感情と公共の指導能力は全くの別物ではない。どんな理由であれ、靖国神社参拝は日本とアジアに悪影響を及ぼした。島嶼紛争を見ると、状況はエスカレートしなくても、日本の外交と貿易にすでに影響している。
歴史学者のW-R.ミド氏は自身のブログに、「日本と中国は、ドイツとフランスのように第二次世界大戦後に合意に達し、和解することができなかった。そのため、アジアは今も不安定で危険な状態にある」と記した。
不安定で危険と言うのはやや大げさかもしれないが、実際に東アジアは、それほど遠くない戦争の記憶によって今もばらばらの状態である。靖国神社の参拝と同時に、それが意識的であろうが、無意識的であろうが、日本の政治家は隣国を征服した残忍な帝国秩序を思い起こしているだろう。しかし、そのような時代はもう終わった。日本経済は萎縮し、人口は減少しているが、中国と韓国は実力と地位を高めている。戦後の欧州のように、今の世界では、協力と調和のほうが各国の利益に合致している。しかし、日本の指導者が過去にとらわれ続ければ、国を未来に向かわせることは難しいだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年4月25日