李克強総理は5月26日にポツダム会議の旧跡を訪問した際に、「カイロ宣言には、日本が盗んだ中国東北部、台湾などの島を中国に返還することが定められている」、「ファシストによる侵略の歴史を否定する、もしくはこれを美化しようとする言行のすべてについては、中国人はもちろん、世界各国の平和を愛する正義の力も受け入れることができない」と指摘した。この演説は現在の中日関係後退の実質と要点を言い当てており、歴史的・現実的意義がある。
安倍晋三首相の再任後、中日関係は後退を続けたばかりか、日本と韓国・米国の歴史観に関する溝も深まった。この駆け引きの実質は、戦後の日本国内の秩序および国際秩序を維持するか、それとも覆すかという争いである。
国内の秩序について、安倍内閣は戦後の日本国憲法の改正により国防軍を設置し、天皇を「国家元首」に据え、戦後に平和的発展の道を歩むという自分に対する拘束を破ろうとしている。戦後の日本国憲法は日本が自らを拘束し、平和的発展の道を歩むことを決めたものである。しかし、日本の右翼勢力はこれらの拘束を完全に破る可能性があり、それによって日本は危険な道を歩むことになる。
国際秩序について、サンフランシスコ平和条約はポツダム宣言・カイロ宣言・連合国憲章に代わり、戦後の国際体系と東アジアの秩序を打破した。日本が今後、平和的発展の道を定めた国内規則・国際秩序を突破した場合、アジア諸国に危害をもたらし、21世紀のアジアの災禍になり、日本国民に新たな災いをもたらすだろう。