海上自衛隊のヘリ空母「いずも」(22DDH、日本側の呼称はヘリ搭載護衛艦)が8月6日に進水した。同艦の満載排水量は2万7000トンに達する。フェイズドアレイレーダーやヘリなどの装備は世界一流クラスであり、アジア諸国が第二次世界大戦後に正式に建造した1隻目の空母だ。甲板の長さ、昇降機のサイズ、搭載量から判断すると、米国のF-35B戦闘機の搭載が可と判断できる。カナダ軍事専門誌『漢和ディフェンスレビュー』(10月号)が伝えた。
いずもの使用する対空レーダーはOPS-50と呼ばれ、ひゅうが(16DDH)に使用されているFCS-3フェイスをベースにし、艦対空ミサイル管制を取り除いたバージョンだ。ソナーもハイレベルで、いずもに搭載されたのはOQQ-22ソナーと見られるが、魚雷発射管は取り付けられていない。
いずもとひゅうがはいずれも全通甲板を採用しているが、前者の方が大規模で、対空ミサイルを含む多くの武器が取り除かれており、実際の格納庫は予想されているよりも大規模だ。ひゅうがは甲板上で3機の哨戒ヘリと1機の救助ヘリを使用できるが、いずもは7機のSH-60K哨戒ヘリと2機のMCH-101輸送ヘリの計9機(ひゅうがの2倍)を使用できる。ひゅうがの離着陸地点は4ヶ所、いずもは5ヶ所に達する。
最も注目すべきは、いずもに搭載された大型の昇降機だ。2基の昇降機はブリッジの前後に位置し、サイズはそれぞれ20m×13m、15m×14mで、最大積載重量は30トン弱に達する。F-35Bは全長15.6m、翼幅は10.7m、最大離陸重量は27.3トンだ。ゆえにいずもの甲板前部中央に設置されている昇降機は、F-35Bのサイズに合わせて作られたものであり、技術的な問題は存在しない。CH-47大型ヘリの昇降も可能だ。
いずもは何機のF-35Bを搭載できるだろうか。これについては作戦のシミュレーションについて検討しなければならない。いずもの最大の仮想敵は、24機のJ-15戦闘機を搭載できる中国海軍の空母「遼寧艦」、および同型番の国産空母だ。いずもの排水量とほぼ一致するイタリアの空母「カヴール」の満載排水量は2万7500トンで、8機のF-35Bと12機の各種ヘリを搭載でき、最多で20機の各種航空機を搭載可能だ。