カヴールの艦載武器はいずもより豊富で、32連装・垂直発射型の艦対空ミサイル「アスター15」を搭載している。スペインの強襲揚陸艦「フアン・カルロス1世」の満載排水量は2万4660トンに達し、20機の「シーハリアー」戦闘機と10機のヘリを搭載できる。
ここからも、いずもが艦対空ミサイルをわざわざ取り除いたのは、格納庫の体積増加を目的とするものであることが分かる。少なく見積もってもいずもは20機のF-35Bを搭載可能で、これを空対艦もしくは空対空の攻撃に使用し、哨戒ヘリの機数を減らすことができる。これは「多目的空母」の定義だ。必要な場合には燃料補給能力を引き下げ、燃料を減らすことで艦載機のスペースを確保できる。
残された問題は、いずもがスキージャンプ式甲板を搭載するか否かだ。日本はその技術を持っており、改造は容易だ。またこれを搭載しなかったとしても、F-35Bの使用には影響が生じない。
E-2C艦載空中警戒機が使用できないことは、確かにいずもの弱点だ。しかし遼寧艦も現時点では固定翼艦載空中警戒機を搭載していない。いずもは艦載空中警戒ヘリの搭載を検討しても良いだろう。島嶼における作戦の場合は、沖縄を離陸するE-2CもしくはE-767早期警戒管制機を利用できる。
いずもの乗員数は470人で、航空部隊の乗員が270人、その他の乗員が200人に達する。いずもは満載排水量が3万トン弱に達する大型艦で、実際に操作を担当する乗員は200人のみ(中国海軍の7000トン級ミサイル駆逐艦に相当)だ。ここからは、いずもの自動化の程度の高さが伺える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月27日