米国がリニア技術を導入すれば、日本は同盟関係における発言権を強化し、ダメージを受けた日米関係をある程度修復できる。ゆえに日本は全力でPRに取り組み、ホワイトハウスの目を引こうと無償提供を検討している。日本はその他の国で高速鉄道を建設することで、現地の経済発展に直接参与し分前を得ると同時に、安倍首相の「地球儀を俯瞰する外交」の駒を増やすことができる。タイ、シンガポール、マレーシア、インドなどの国が高速鉄道の建設計画を発表しており、日本には活躍の機会がある。
高速鉄道は中国対抗の新たな支えになるかもしれない。中日両国は現在、すでに平和的な競争の段階に入っている。高速鉄道技術の発展において、中日の間には、互いに必要としながら競争し合うという、二元的な矛盾する関係がある。日本は中国の「半人前の師匠」のようなものだが、中国は日本やドイツなどの技術を総合した上で、より高速な列車を製造し、国際市場で日本の新幹線の競争相手になった。中国の高速鉄道は、李克強総理の「高速鉄道外交」に伴い、海外市場でお披露目されている。
高速鉄道はそもそも日本が得意とする、世界市場の産業チェーンにおける技術・資金集約産業だ。日本はハイテク分野で中国に「要衝」を占められることを最も避けたい。さもなくば日本は今後、「茨の道」を歩むことになるだろう。
ゆえに政治的な利益、心理的な需要のいずれに基づこうとも、中国との高速鉄道対抗戦は避けられない。(筆者:蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年10月29日