【奏功するか?各自の思惑とは】
今回のサミット議長を務める安倍首相は、「力強い」情報を発表することで、G7の「団結と指導力」を強調しようとしている。安倍首相は外交の成功を宣伝し、参院選の得票率を高めようとしているという観点もある。
日本が実現を目指している措置は、先行きが不明瞭だ。例えば財政出動の協力について、安倍首相は訪欧した際にメルケル独首相やキャメロン英首相と合意に至らなかった。G7の議論はアベノミクスの成否に関わるため、各国が足並みをそろえることができなければ、安倍政権の運営に影響が及ぶ可能性がある。
数日前に開かれたG7財務相会議で、各国は安倍首相が提案した「G7版3本の矢」に冷淡な反応を示した。むしろ世界経済に影響を及ぼす英国のEU脱退問題が焦点となり、日本は力んだ末に空振りに終わった。各国はそもそも経済・財政政策で異なる立場を持ち、政策の協調を図るために立場を変える余力はないと分析されている。
脱税防止について、各国の税務当局の権限が異なることから、世界共通で効果的な規則を制定できるかが問題となっている。テロ対策について、独G7エルマウ・サミットで発表された首脳宣言には、過激派組織「イスラム国(IS)」を撲滅する決意が記されていたが、パリとベルギーの同時多発テロを防止できなかった。
【和解は可能か?新旧の問題が山積】