中国空母の構想図
黄海、南海騒動の勃発は、多くの人に現在建造中と噂される中国の空母を連想させた。これらの空母が中国海軍に配備されていたとしたら、どうなっていただろう。米韓軍事訓練は行われただろうか。クリントン米国務長官の「米国の国家利益」発言は存在しただろうか。或いは、逆に軍事訓練の規模は更に拡大し、米国の挑発文句はより激しさを増していただろうか。
中国の空母所有は、時間の問題とされている。西側の推測によれば2012~2015年頃とされており、その頃には中国海軍が6隻の空母を持つことになるとする予測もある。もしこれが本当なら、数年後、中国空母の力量はアジア最大となるが、それでもやはり、米国の空母総トン数や艦載機総数には遠く及ばない。中国がこの力をどう活用するのか、それは中国が空母を所持するのはいつかという問題より更に注目に値する謎である。
米国の著名学者Thomas Rawskiは、これまでにウィン-ウィン、新冷戦、覇権争い等、3種類の想定に基づき、中国台頭の道のりを詳細に描き出してきだが、最終的に重要となる変数は軍事事情で、中でも空母の要素が最も大きなウエイトを占めるという結論に至った。
中国と西側陣営共通の懸念、それは中国と米国が、以前の日本と太平洋覇権国家米国のような敵対関係に発展することだ。米国と海上権力を争うのは、中国にとって最低の戦略であり、中国の国策にこのような内容は存在せず、今後もそれが盛り込まれることは有り得ない。もし、中国を常に「太平洋上の敵」と見るならば、米国は大きな過ちを犯すことになる。なぜなら、それは全世界とっての災難となってしまうからである。