建造中の中国初の空母
■米海軍「懸念していない」
中国の空母建造はもはや「疑惑」ではないらしく、より注目されているのは空母完成後の世界への影響だ。
日本誌「外交学者」は「中国人が来た!」と題する記事で「空母が隣国、特に南中国海に論争や敵意をもたらすかどうかについて中国内部ではまだ多くの議論があるが、政府の最近の姿勢は、空母肯定派が勝利を収めつつあることを示している」としている。
すでにアジア太平洋に空母を配備している米国について、記事は「米海軍の多くの高級将校は中国の空母について懸念していないようだ。『もう5隻増やして、ようやく米国の脅威になる』と冗談を叩く者すらいる。だが誰もが今年、中国の動向を緊密に注視していく考えを表明している」と伝えている。
だがウィラード米太平洋軍司令官は最近米メディアの取材に「ワリャーグは決して象徴的意義に止まらず、周辺地域の認識に対するその影響は非常に大きい」としている。
「防衛対話」ウェブサイトは「中国が空母を保有すれば、米国はアジア太平洋地域における戦略の見直しを余儀なくされる。空母はそれ自体の実力を上回る影響を周囲にもたらす。また、中国の輸入する石油の80%は他国が共同管理するマラッカ海峡を経由するため、この海上交通路の保護も中国海軍の重要任務となる。ひとたび空母を保有すれば、中国海軍はその実力と影響力をさらに拡大する」としている。
■「初の空母は象徴的意義の方が大きい」
外交学院国際関係研究所の王帆所長は「中国初の空母が持つ意義はかなりの程度において象徴的なものだ。過去数十年間に多くの国々が空母を保有しており、その軍事的意義はさほど大きくない。現代の戦争でより多く使用されるのは長距離ミサイルなどだ。空母は近代海軍の通常の装備であり、空母1隻が海洋支配への決定的意義を持つわけではない。海軍の近代化において必須のプロセスに過ぎない」と指摘する。
「人民網日本語版」2011年6月13日