資料写真:東京電力本部が行った記者会見で、目下の状況を紹介する東京電力原子力・立地本部の松本純一本部長(6月17日)
◆米国に学ぶ
人道主義援助は1つのことであり、環境損害賠償はむしろ別のことである。福島放射能汚染事故がすでに発生して3カ月余り、中国の被害者の保護問題は終始重視されてこなかったように見える。関係機関は口をつぐみ、非常に遺憾だと言わざるを得ない。このように複雑な背景の下、このように「狡猾」かつ老練な日本政府にいかに対処するか、わが国の公民が個人の力で権益を守るのは非常に難しい。
いかに外来環境による損害に対応するか、米国政府のやり方はわれわれが敬服し、参考にするに十分値する。メキシコ湾掘削リグで原油流出事故が発生してから間もなく、オバマ政権はBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)と賠償基金を創設することで合意。基金の金額はかなり批難され、オバマ政権の行動効率は広く批判されたものの、こうした政治手腕を手段とし、国の実力を後ろ盾とした行動によってやはり、少なくとも被害を受けた米国人は、裁判所に起訴するなど面倒なことをせずにかなりの金額の賠償を得ることができた。
現在、われわれが直面する状況はメキシコ湾原油流出事故に比べずっと複雑であり、国の行動の難しさもかなり大きい。だが、明確にすべきは、効果がどうであれ保証できる人がいないが、行動するかしないかは、「サボタージュ」かどうかという姿勢の問題だということである。
現在、非常に関心を寄せるに値する問題がある。日本政府はすでに放射能漏れ事故について賠償関連の作業を進めているが、日本に居留する外国人に対し、いかに賠償に言及するかどうかについては、明確な考えはないようだ。中国にとって、日本は極めて重要な隣国であり、日本に長期居留する中国人の数は極めて多い。日本政府が賠償の過程で、数が膨大な中国国民に対し一視同仁の非敵視的姿勢を取ることができるかどうか、われわれはこれについては楽観的な態度をまったく抱くことはできない。最終的に得られる賠償額はかなり制限があるかも知れないが、平等か否かは1つの法的問題であり、1つの感情的な問題でもある。われわれは行動すべきか。(文/冷新宇)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月20日