中国は人権を尊重し保障している。中国の憲法は公民の基本的権利と自由を全面的に規定し、一連の人権を保障する法律法規を制定し、比較的整った人権保障の法律制度を整備した。法律によって公民の生存権と発展権を保障し、公民の人身権、財産権と宗教信仰の自由、言論出版の自由、集会・結社の自由、デモ行進の自由および、社会保障権、教育を受ける権利など経済、政治、社会、文化の権利は切実に保護されている。中国の憲法では、公民は宗教信仰の自由を有し、いかなる政府機関、社会団体、または個人も、公民に宗教の信仰または不信仰を強制してはならず、宗教を信仰する公民と宗教を信仰しない公民とを差別してはならないと、規定している。国務院はまた宗教事務条例を発布している。現在、中国には各種の宗教信者があわせて1億余人もおり、公民の宗教信仰の自由が十分保障されている。中国憲法はまた、政府機関と国家公務員によって、公民権が侵害されて、損失を受けた場合、法律の規定により賠償を獲得する権利を有すると規定している。中国は国家賠償法を制定し、国家賠償制度を確立し、公民、法人とそのほかの組織は法律によって国家賠償を受ける権利があると効果的に保障している。 民法、商法。民法は平等で主体となる公民の間、法人の間、公民と法人の間の財産関係と人身関係を調整する法律規範で、民事の主体的な地位の平等、私的自治、公平、信義誠実などの基本原則を遵守する。商法は商事主体の間の商事関係を調整し、民法の基本原則を遵守し、同時に商事の取引の自由、等価有償、便利で安全などを保障する原則に従う。2011年8月末までに、中国はすでに民法、商法の法律を33件と一連の商事活動を規範化した行政法規、地方性法規を制定した。 中国は民法通則を制定し、民事商事活動において遵守しなければならない基本規則の規定を行い、民法の調整対象、基本原則および民事主体、民事行為、民事権利と民事責任制度を明確にした。
市場経済の発展に伴い、中国は次々に契約法、物権法、農村土地請負法などの法律を制定し、債権制度と所有権、用益物権、担保物権を含む物権制度を確立し健全なものにした。不法行為法を制定し、不法行為制度を整えた。婚姻法、養子法、相続法などの法律を制定し、婚姻家庭制度を確立し健全なものにした。渉外民事関係法律適用法を制定し、渉外民事関係法律適用制度を健全なものにした。公司法(会社法)、共同経営企業法、個人単独出資企業法、商業銀行法、証券投資基金法、農民専業合作社法などの法律を制定し、商事権利を主体とする制度を設立し健全なものにした。証券法、海商法、手形法、保険法などの法律を制定し、商事行為制度を設置し健全なものにし、中国の海上貿易、手形、保険、証券などの市場経済活動制度が徐々に確立され速やかに発展している。 中国は知的財産権の保護を高度に重視し、特許法、商標法、著作権法とコンピューターソフトウェア保護条例、集積回路配置図設計保護条例、著作権集団管理条例、情報ネットワーク伝播(配信)権保護条例、植物新品種保護条例、知的財産権税関保護条例、特殊標識管理条例、オリンピック標識保護条例など知的財産権の保護を主要な内容とする一連の法律法規を公布し実施した。1982年に制定した商標法は、中国で現代知的財産権法律制度を系統的に構築し始めた重要なメルクマールとなった。中国の知的財産権保護のさらなるレベルアップ、また、WTO加盟の要請に適応させるため、中国はたえず知的財産権法律制度を整備し、相次いで何度も特許法、商標法、著作権法などの法律法規の改正を行い、立法原則、権利内容、保護基準、法律救済手段の面において、科学技術とイノベーションの促進に対する法律的保護をさらに際立たせている。2010年末までに、中国は累計で各種特許389万余件を授与した。有効な登録商標は460万余件に達し、その中には177の国と地区の67万余件の登録商標がある。おおまかな統計によると、2001年から2010年までに、各クラスの版権行政管理部門では合法的権益を侵害する海賊版コピー製品を全部で7億700万件受理し、行政処罰案件は9万3000余件にのぼり、司法機関に送検された案件は2500余件であった。 改革開放を推し進め、国際的経済協力と技術交流を拡大するため、中国は中外合資経営企業法、外資企業法、中外合弁経営企業法を制定し、外国投資者に対して中国の投資条件、手続、経営、監督、管理と合法権益の保障などの規定を行い、外国投資者が中国で投資をする場合、中国の国家主権を尊重すべきだという原則を確立すると同時に、中国は投資者の合法権益を守り、平等互恵、優遇措置をとり、国際通用規則を遵守するなどの原則を確定し、外国投資者が中国で投資を行うにあたっての良好な環境をつくった。さらに平等互恵と国際通用規則の遵守を具現するために、中国は何度もこの3つの法律が完全になるよう改正を行い、外国投資者が中国での投資、経済貿易活動を展開する合法権益を十分に保障している。