読売新聞は新年早々、日本はサイバー兵器の研究開発を急ピッチで進めている、と大々的に報じた。研究を進めているのは防衛省で兵器開発を担当する技術本部。同省は2008年、「ネットワークセキュリティー分析装置の研究試作」事業を立ち上げるとともに、海外に入札を募集し、軍事工業が前身の富士通が1億785億円で落札した。また、この種の兵器は事実上、攻撃能力を備えた一種のコンピューターウイルス、「サイバー兵器」だと報じている。外部からのネット攻撃を逆探知して攻撃元を直接攻撃できるだけでなく、攻撃元を麻痺させ情報を収集する能力も有している。
現代戦争の理論では、「サイバー戦」はすでに陸上戦と海上戦、空中戦、宇宙戦と並ぶ未来の5大戦争の1つとなっており、未来の戦争の勝敗を決定する高度な戦略と言われているほどだ。このため、世界各国はサイバー部隊の整備を軍事発展に向けた最重要任務としており、サイバー兵器の研究開発は各国の総合軍事力を向上させる重要な課題でもある。インターネットでの軍備競争は静かに幕を開けつつある。
情報技術強国としての日本が、「ネット支配権」で後塵を拝すことに甘んじることはもちろんなく、アジアの防衛大国として、「サイバー戦部隊」の整備ですでに先行している。サイバー作戦システムを構築するため、日本政府はハードと部隊の整備に膨大な資金を拠出、「防衛情報通信基盤」と「コンピューターシステム共通運用基盤」をそれぞれ構築するとともに、自衛隊の各機関と部隊を結ぶネットシステムで相互交流・情報共有を実現した。防衛省は幅広い人材を集め、5000人で構成される「サイバー空間防衛隊」を設置しており、研究開発したサイバー作戦の攻撃兵器と防衛システムはすでに比較的強い攻撃作戦能力を持っている。日本の新版11年「防衛白書」から、日本が自衛隊の兵器・装備を絶えずバージョンアップすると同時に、「サイバーセキュリティーの強化を口実に、ハッカー攻撃への対応を目標に、サイバー戦に向け準備を進めている」意図、その布石をすでに敷き始めたことが読み取れる。