3つ目は、若い首相とベテラン首相の政権投げ出しだ
あどけなさが残るタカ派の安倍晋三氏が「若旦那首相」とすると、やむなくその座についた福田康夫氏は「年寄り首相」といえる。両氏は、低迷する国内経済、総選挙対策という問題に直面した。彼らの最大の懸念は、有権者の判断と最大野党・民主党からの対抗だった。「美しい国」を作ると豪語した野心あふれる安倍氏は参議院選で大敗を喫し、引責辞任するべき時にそれをせず、内閣再編後に病院に逃げ込み、「病」により辞職すると発表した。安倍氏はこれにより、「無責任な首相」という不名誉な評判を残すこととなった。
後任の福田氏は物怖じせず、首相就任から1年後に「健康状態に問題はない」と語ったが、「自分のことを客観的に見ている」、「己を知る明がある」を盾にし、安倍氏を真似て政権を投げ出した。若い首相とベテラン首相の政権投げ出しは、権力闘争が激しい自民党の歴史においても例を見ない出来事となった。
4つ目は、メディアの「祭り上げ」に対する反省の欠如だ。
「政治の人気者」を担ぐのが好きな日本のマスコミは、安倍氏と福田氏を祭り上げておきながら、最終的に両氏を非難したという矛盾する行為を気にもとめず、自らを反省したこともないようだ。マスコミはその後引き続き、「失言癖」のある麻生太郎氏を持ち上げた。麻生氏の「大言」は、「歯切れ良さ」とされた。
しかしこの歯切れのよい首相はいつしか世論から、「百年に一人の無能首相が、百年に一度の不景気に直面した」と決めつけられた。これにより麻生氏の支持率は低下の一途をたどった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年12月7日