2010年末現在、中国はすでに五大陸の28の国や地域と15の自由貿易協定または経済貿易関係緊密化協定の交渉を行い、10の自由貿易協定や経済貿易関係緊密化協定を調印し実施している。現在5つの自由貿易協定の交渉を行っている。中国は東アジア自由貿易区の確立を提唱している。2010年、中国は10の自由貿易協定や経済貿易関係緊密化協定パートナー(ASEAN、パキスタン、チリ、シンガポール、ニュージーランド、ペルー、コスタリカ、中国香港、中国澳門〈マカオ〉、中国台湾)との双方間の貿易総額が7826億ドルに達し、中国輸出入総額の4分の1を上回った。 中国はWTOのドーハ・ラウンドの交渉に深く参加しそれを推し進め、多国間貿易体制の権威性の擁護に努めている。中国は、交渉が多国間貿易体制の公平、公正の原則を貫徹、実行することに役立ち、ドーハ・ラウンド協力がラウンドの発展目標を具現することを強調している。中国はドーハ・ラウンドの農業、非農業製品、サービス、規則などのテーマの交渉に参加し、交渉文書40余件を独自に打ち出し、他のメンバーと共同で100件の文書を提出した。ドーハ・ラウンドの交渉を推し進めるため、中国は交渉のために建設的で自らの発展レベルにふさわしい貢献をしたいと何度も表明している。
中国は貿易パートナーとの紛争を解決する際、各方の利益をともに配慮し、共通点を求めるとともに相違点も残している。WTO加盟いらい、輸出入が引き続き伸びるにつれ、中国と貿易パートナーとの紛争や摩擦もいくらか増えている。案件関連製品は主に紡績品、靴類、タイヤ、自動車部品(パーツ)、鉄鋼および化学工業製品に集中し、係争問題は主に知的財産権、貿易バランス、公平貿易、食品の安全保障、環境保全などの分野に関わるものである。中国は終始対抗より対話の方がよく、圧力をかけるより協力の方がよく、話し合い・交渉によって貿易パートナーの間の紛争の解決に努めるべきである、と考えている。中国は各方面の利益をともに配慮し、バランスをとり、WTOのルールと体制の中で、多国間のルートまたは二国間のルートを利用し、対話、話し合いと交渉を通じて紛争を解決することを堅持している。近年らい、中国は市場開放の拡大、知的財産権の保護、貿易バランスの促進、人民元為替レートの形成メカニズムの改革、輸出入経営秩序の規範化などの面において多くの措置をとり、貿易パートナーの関心事を十分に配慮している。話し合いで紛争が解決されない場合、中国はWTO紛争解決メカニズムを通じて、貿易パートナーとの紛争を適切に処理し、多国間貿易体制の安定を守ってきた。