中国人民銀行の易綱副総裁はこのほど、国際通貨基金(IMF)スプリングミーティングスのセミナーで、現在は市場にさらに大きな人民元相場の決定権を持たせ、政府の市場への関与を減らす良い時期だと表明した。23日付中国証券報が伝えた。
メディアの報道によると、易綱副総裁は席上、「一連の為替制度改革は人民元の柔軟性を高め、市場の力を強めることを目的としたものだ」と述べた。また、市場はすでに人民元相場の決定において重要な役割を担っているとの見方を示した。これまで、市場には上昇観測しかなかったが、ここ2四半期、人民元相場は続けて上下双方向に変動している。元相場の変動幅の上下双方向の拡大に従い、個人、企業、金融機関の資産は多様化し、為替変動リスクの回避につながるという。
易綱副総裁は、中国の経常黒字の対国内総生産(GDP)比は2007年の10%超から2011年には2.8%に大幅に低下し、その主な原因は政府によるマクロ調整策と財政政策改革だと指摘した。世界経済の低迷や、外需、特に欧米の需要の「周期的」な低下により、経常収支の黒字は縮小しているが、易綱副総裁は、原因の3分の2は長期的な構造調整と財政政策の調整、3分の1は上述の周期的な要因だと見ている。
「中国証券報」より 2012年4月23日