中国国務院新聞弁公室は6月20日、『中国のレアアースの状況・政策』報告書を発表した。工業情報化部(工信部)の蘇波副部長は記者の取材に応じ、「金ほどの値打ちがあるレアアースが、白菜と同じレベルの価格で売られている。レアアースの価格と価値には著しい隔たりがある」との考えを示した。
蘇副部長は「現在、レアアースの価格は著しくその価値とかけ離れており、資源の希少性が妥当に反映されていない。アメリカ企業の試算によると、2002―2005年時点、レアアース1キロの生産にアメリカは2.8米ドルの環境コストが必要なのに対し、中国は5.6米ドルの環境コストが必要だった。それにもかかわらず、当時の中国のレアアース1キロあたりの販売価格は5.5米ドル、つまりはレアアースのような金に相当するほど貴重な資源を白菜のように惜しげもなく売っていたということである」と指摘した。
2000年―2010年、レアアースの価格は2.5倍上昇した一方で、金は4.4倍、銅は4.1倍、鉄鉱石は4.8倍上昇している。2010年下半期以来、レアアース製品の価格は徐々に上昇しつつあるものの、上げ幅は金・銅・鉄鉱石などの原材料をはるかに下回る。
中国政府はこれまで、レアアースの市場価格に介入したことはなく、市場価格の上昇を利用して経済的利益を得たこともない。政府は関連企業がプラットフォームの構築を速め、レアアースの価格が市場競争の下に形成され、レアアースの市場価格システムが不断に規範化されることを積極的に支援する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月21日