ストックから見てもその増加は明らかだ。2011年末現在、中国の対外直接投資(ストック)は4247億8千万ドルに達し、前年末から順位を4つ上げ、世界13位となった。2011年末、海外の中国企業の資産総額は約2兆ドルに達している。
商務部合作司の石資明商務参事官は対外投資の利益面について「対外投資企業の2011年の年次報告書から見ると、77.6%が増収又は横ばいで、22.4%が減収だった。対外投資を行う中央企業2000社のうち、72.7%が増収又は横ばい、27.3%が減収だった」と語る。
▽世界177カ国・地域をカバー
投資額が増加する一方で、投資の範囲も徐々に広がりつつある。2011年末現在、中国の1万3500の国内投資家が海外に対外直接投資企業1万8千社を設立した。これらの企業は世界177カ国・地域に分布し、世界の国・地域全体の72%を占めた。
ストック別に見ると7割がアジアに集中しており、発展途上国は89%、先進国はわずか11%に留まった。このような投資構造がもたらされた原因として、梅研究員は主に2つの原因を指摘する。1つは、先進国の市場参入条件は比較的厳しいが、途上国はそうではなく、中国の投資を歓迎しているため。もう1つは、中国企業の多くは安価な生産コストを利用するべく途上国に投資する場合が多いためだ。梅研究員は「先進国の市場をコントロールする能力を持つ中国企業はまだ少ない」としながらも、「しかし、中国の対先進国投資は急激に増加しつつある」と強調する。