◇日本の国産ステルス戦闘機開発を妨げる3要素
原寸大の「心神」の模型
原寸大の「心神」の模型
日本が国産ステルス戦闘機を開発するのは不可能だ。その最大の理由はコスト。先進戦闘機の設計と生産にはかなりのコストがかかる。日本は国防費をGDPの1%に制限していることが、国内の戦闘機計画を他の国よりも困難にしている。他国は平均GDPの3%、米国は5%を国防費にあてている。日本の先進技術実証機には設計から量産、メンテナンス、作戦までに1000億ドルかかる。40年で計算すると、毎年、日本の年間国防費500億ドルの5%を占めることになる。しかも数十機しか生産できない。
コストの問題のほかに、戦闘機の需要問題も戦闘機開発を妨げる要因となっている。交代を必要とするF-4戦闘機の数は少なく、日本は大多数をF-15とF-2で構成しており、十分に先進的で、まだ長期間就役が可能だ。FXはF-4を交代するためで、新型戦闘機がその穴を埋める必要がある。しかし「心神」がF-4の任務に適しているかはまだはっきりしない。
米国は日本に米製ステルス戦闘機購入を迫り、日本の国産計画に消極的な影響を与えている。ロッキード・マーティン社は三菱重工とF-35の生産を共有する約束をしたが、共同生産なのか、部品の組み立てなのか、戦闘機の生産ラインを建設するのかはまだわかっていない。いずれにしろ、日本がF-22に参加するより可能性が高いのは確かだ。