文=コラムニスト・中川幸司
東京はこの一週間、秋の気候を肌で感じます。春の季節も心地よいホワッとした温かい感じも良いものですが、秋晴れの日は「天高く・・・」の言葉とおり、スカーッとした爽やかで気持ち良い気分になりますね。厳しい冬の前のひとときの心地よさを心から楽しみたいものです。
ちなみに僕は「・・・馬肥ゆる秋」(笑)。イモ、クリ、カボチャ(タイトルのIKKは、コレですw)といった炭水化物が容赦なく僕の身体を「太る」方向へと押し上げてしまいます。これは気を付けねばなりません。とはいえ、秋だけの問題ではなく、春は春で「花より団子」なのですが・・・。
ついに野田首相がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加を表明しました。
実際にはかなり歯切れの悪い会見内容でありましたので、「それで、結局どっちなの?」のような意見も聞かれ、また国会議員、民主党与党内の「TPP参画推進派」からも「慎重派」からも、ともに「ホッとした」と感想が漏れる始末・・・。国民からすれば、首相の最終意思決定はあったものの不明瞭さが残るものとなってしまっています。会見内容から判断して大筋では「交渉参加」の方向性ということなのでしょうが、さすがに「どじょう首相」だけありまして、「掴みどころない」結論として上手く切り抜けた結果と思います(ここでは、掴みどころない≒大きな爆発力を持った政局という結果にならなかった、という意味での「切り抜け」。その手法については賛否両論でしょうが。)。
中国内メディアでは日本のTPP参画問題はそれほど大きな話題として扱われていないようですが、中国がTPPに入っておらず、また米国が大きなイニシアチブをとるTPPの枠組みでありますから、日本がTPP交渉をすすめるということは、相対的な議論としては、さらに一層中国よりも米国に対して「窓口」を持った、ということになります。今後「窓口」が設けられた結果、日本の国益に有利か不利かについては、なかなか定量が難しいところではありますが、少なくとも「日本と米国」と「日本と中国」という関係性の比較において、日本から見れば「日本と米国」にチャネルが開かれた・チャネルが増えた、その逆で「日本と中国」のチャネルが相対的に減少したということになりますね。