日本政府は昨年12月27日、安全保障会議を開き、「武器輸出三原則」の大幅緩和を決定した。これによって日本が製造する軍事兵器や設備の輸出制限が大幅に緩和され、日本は強力な軍事兵器の輸出を通じて落ち込む国内経済を牽引する。
日本の軍需産業にはあまり人に知られていない背景がある。それは家電メーカーなどの民間分野でよく知られる三菱重工、三菱電機、日立、東芝などの企業もかつて日本の軍需産業を支える企業として、95%のシェアを占めていることだ。三菱重工を例にとると、同社が生産する空調、エスカレータ、自動車などの製品は世界各地で販売されているが、三菱重工は日本最大の軍事企業でもあり、日本の防衛製品の30%を請負生産していることはあまり知られていない。これは日本企業の「軍民結合」の典型的な特徴で、軍事分野で目立たないようにしつつ、強力な軍事的ポテンシャルを実は民間分野に隠し持っている。
武器輸出制限があってもこうした企業の軍事的な生産・製造が当時の歴史舞台から消えることはなかった。実際、その背景にはその運営を維持するための、政府からの巨額の財政補助と日本政府による調達があった。これらの企業の軍事兵器・設備の生産ラインは今でも残され、いつでも生産開始可能な状態にある。
輸出を経済の牽引力としている日本は今年、世界的な経済混乱に加え、円高や原材料コストの高騰、3月の東日本大震災による被害により、経済が底を突いた。高まる経済回復の呼び声の下、野田政権は徐々に武器輸出緩和を推進、日本に完璧な軍事開発体制と生産体制の構築を押し進めようとしている。
では、武器輸出は日本にとってどれだけビジネスチャンスがあるのか?現在日本のメディアが議論している軍事品のポテンシャル・クライアントの多くは地理的に重要または資源価値のある国で、日本の巡視船を調達したことのあるインドネシアのほか、資源はあるが貧しいアフリカ諸国、また南米も日本の軍事装備の市場と見込まれる。経済的に困難な国でも、おカネのある国でも日本の軍事装備の市場になり得るとアナリストは分析する。
日立や東芝などの近年の動きをみると、欧米市場などのカラーテレビ業務の全面的な落ち込みや赤字で、家電製造などの民間業務を次々と海外に移転し始めている。日本政府による政策緩和の下、こうした企業は民間分野では市場における優位性を失いつつも、軍需産業では大きな市場チャンスが見込まれている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月14日