資料写真:日本の震災地に救援物資を提供する米軍
資料写真:日本の震災地に救援物資を提供する米軍
米側は9万人の東京在住の自国民と横須賀港海軍基地の安全情況、それに自国民の全面避難などの問題を即決定する必要があり、ルース駐日大使と米軍指揮官はいずれも大きなプレッシャーに直面していた。
しかしホワイトハウスは放射能が東京にまで影響するという説は科学的根拠に欠けるとして、自国民の避難と部隊の移動を却下、ホールド氏も放射能が東京や米軍基地にまで脅かすことはないとの認識を示した。
ホールド氏は米国立研究所と集中的に研究を行い、最悪の状況を想定し、説得力のある科学方程式を立て、政策決定の根拠にした。米国は昨年3月16日、外交官の家族と軍人の家族を、東京から一時避難させる方針を発表したが、日本側からはさほど反応はなかった。
ホワイトハウスの国家安全保障会議の高官と科学者は昼夜を問わず対策を協議、ホールド氏の福島の放射能漏れの東京への影響は予測を下回るという報告を基に、ホワイトハウスは判断を下した。「結果、米国は不必要かつパニック的な決定をせずに済んだ。その影響は重大だ」とベーダー氏は指摘する。
それでも米側はやはり最悪の事態を考え、自国民避難計画を準備していた。予想通り、太平洋司令部が計画中に情報が漏れ、再びメディアが騒ぎ、軍当局はベーダー氏のアドバイスで記者会見を開き、米軍はどこへも行かない、計画は万が一の措置だと説明した。
ベーダー氏は、危機処理には全面的かつ厳粛な再編順序と科学評価が必要で、専門家と関連部門が共同で意見を提示した。福島原発事故の経験から、周到かつ慎重な対応だけが軽率な決定を回避できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月17日