中国にとっても、この行動を通じてIMF出資比率の増加と相応の発言権が得られるだけでなく、他にもたくさんの利点がある。
2010年10月のG20財務大臣・中央銀行総裁会議で採択されたIMF出資比率改革協議に基づき、中国の出資比率は2012年の4%未満から6.19%となり、6位から3位に上昇した。まさに清華大学中米関係研究所の張之驤研究員の言うとおり、「出資比率が増えれば中国の発言権と政治的影響力も相応に高まる」ことになるだろう。つまり、ストロスカーン氏の言う「中国は合理的にいくつかの要求を提出することができるようになる」というのはつまり、発言権が高まることで、国際金融協力でより多くの政策決定権を求めるなど、別な要求ができるようになるといういうことだ。
中日両国の提携で注目すべきは、中国と日本が珍しく共通の立場を表明し、両国が共にIMF増資・欧州債務危機の対応について条件付き援助を表明したことだ。中国の王岐山副総理と安住財務相は北京での会談時、IMFのユーロ圏債務危機対応を支援する上で、「重要な役割」を担う準備があると表明した。
実のところ、中日両国にとって欧州を支援することは自国の支援にもつながる。中日がIMFに増資すれば、欧州債務危機の解決に向けたIMFの資金的実力を強化することになる。欧州経済の回復を手助けすることは中日の輸出促進につながり、最終的には本国経済の好転につながるというわけだ。
中国は今年2月、貿易赤字が315億ドルに達し、10年来で最大の赤字となった。調査によると3月も引き続き赤字計上が見込まれるという。日本と言えば、長引く円高により3大日本車メーカーも海外への移転を迫られている。