日本の衆議院の26日午後の本会議で、社会保障と税の一体改革法案が賛成363票という圧倒的多数で可決された。長年続く日本の財政危機にようやく解決の望みが見られ、長期的な低迷に陥った日本経済に光が注がれた。
米格付け機関のムーディーズは26日、日本の消費税率引き上げは信用格付けに好影響を与えると同時に、日本の巨額赤字への対応が一歩進んだことを示すとの見解を示した。
中国社会科学院日本研究所・経済研究室の張季風主任は「第一財経日報」に対して次のように語った。日本が財政危機を解決するには、消費税率を20%に引き上げる必要があるだろう。短期的な目で見れば、税率引き上げは日本経済に利益と弊害をもたらすが、利益が弊害を上回る。長期的な目で見た場合、これは日本の財政危機を解決する正しい手段である。ノルウェーなどの北欧諸国では消費税率は25%に達している。
景気を刺激する「覚せい剤」
15年ぶりの消費税率引き上げについて、南開大学日本研究院経済研究部の張玉来准教授は、日本のマクロ経済にとって「覚せい剤」のようなものだとの見方を示し、「世界経済危機で現在もっとも問題になっていることは財政危機であり、先進国の中で日本の財政危機は最も深刻ではないとしても、比較的際立っている」と述べた。
財務省の統計によると、2012年3月末現在の日本の債務残高は過去最高の959兆9000億円に上り、国民1人当たりの負担は760万円となった。格付け機関のフィッチ・レーティングスは、2012年末には債務残高の対GDP比が239%に達すると予測している。
また、2012年度(2012年4月~13年3月)の日本の財政支出は96兆円を超え、税収はわずか42兆3000億円となる見通しで、3年続けて当初予算における国債発行額を上回った。
張玉来氏は、消費税率の引き上げは財政危機の解決に希望をもたらしたと話す。また、日本経済は震災後の復興に頼って回復しており、増税は回復の負担になる可能性があるとしながらも、「増税は最初の一歩に過ぎず、政府は続いて法人税引き下げ案を出し、ゆとりある経営環境を作り、日本企業の海外移転のペースを落とすか更には変え、日本経済の競争力を維持、強化する可能性が高い」との見方を示した。