貧富の格差拡大に用心
消費税を引き上げることはマクロ経済にとってはプラスになるかもしれないが、消費者にとって、増税の負担は大きいものだ。
日本財務省は、消費税を5%引き上げるとすると、政府の追加税収が年間約13兆5000億円になると試算している。つまり、国民からすれば、13兆5000億円分の負担が増えるということである。
日本の第一生命経済研究所の試算によると、夫婦と子供二人、年収500―550万円の標準世帯の場合、消費税が8%の段階で7万2948円の負担が増え、10%に引き上げられれば、支出が11万9369円増加することになる。
「裕福な人からすれば、11万の支出は痛くもかゆくもないが、貧しい家庭からすれば、エンゲル係数の上昇は著しいものになるだろう」と張玉来氏は述べ、「この度の増税において、食品などの生活必需品が除外されなかったのは手落ちであり、低所得世帯の生活を更に苦しいものへと追い詰める可能性がある」と見ている。
また、張氏は「不景気の折に増税することは、短期間のうちに消費を抑制する可能性が極めて高い。国民の消費が減れば、消費品を生産する企業の市場も縮小し、経済成長そのものの足を引っ張ることになる」との見方を示している。
この点を懸念してか、日本政府は追加税収を全て社会保障関連に使用するとしている。日本『経済新聞』は、「追加税収のうち、80%が年金の不足分の埋め合わせに使われ、残りの20%は子育て支援策などに投じられる」と伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月27日