環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の交渉は4年目に入ったが、終了の兆しが依然として見えない。これほど交渉が長引いている原因は、下記の通りまとめられる。
(一)TPPは市場参入について、二国間・多国間協議という混合的な方式を採用しており、交渉を遅らせている。自由貿易協定交渉の通常の手法は、全加盟国が交渉を通じて統一的な減税計画をまとめ、最終的に一つの自由貿易区を形成することだ。しかし米国はTPP交渉の中で、既存の二国間自由貿易協定を維持するよう主張しており、自由貿易協定を持たないベトナムなどの4カ国のみと市場参入に関する交渉を進めている。これは米国が敏感な商品に関する既得利権を維持し、米国国内市場を保護することを目的とするものだ。
(二)「高基準」の裏では、米国の利益が見え隠れしている。米国は「高基準」という表看板を掲げ、技術および市場化の優勢を利用し、交渉により米国の利益の最大化を図っている。知的財産権の保護を例とすると、米国のつけた値段はWTOの「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」を大きく上回っている。米国は世界最大の特許輸出国であり、特許保護の強化はより多くの富を米国に移すことを促す。