米国は日本のTPP参加に懸命 中国のアジア太平洋での影響をけん制
米国がTPPを積極的に推し進める理由は2つある。1つはアジア市場をさらに切り開き、アジア経済の急成長に便乗すること。もう1つはアジア太平洋地域の貿易体制およびその規則の主導権を握ることである。これには、中国の発展による貿易秩序の変化のバランスをとりながら、貿易ルールの制定を通して米国の同地域での政治的影響を拡大する方法を探るという目的も含まれている。したがって、米国の「アジア回帰」戦略の重要な一部でもあるTPPは、政治や軍事面の「回帰」と1つのまとまりを形成した。
米国が日本をTPP交渉参加に引き込めるかは、単なる貿易問題でなく、多くの政治的ニュアンスも含んでおり、同地域の政治・経済構造の動向にも大きく影響する。アジアで2番目に大きい経済国の日本が参加しなければ、TPPの影響力および地域と世界の貿易ルールへの制約力は非常に小さいといえる。日本の難点は、政治面で米国のこの要求を極力満たす一方で、貿易上の損得も慎重に考える必要があることである。板挟み状態にある中で考慮し、決断を下すのは容易なことではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年2月26日