国債金利の変動は日本経済の反発を反映するものではあるが、日本の財政状況に対する不安を示すものだとの分析もある。
黒田総裁はこれに対し、経済が好転によって金利が1ポイントから3ポイント上がるのであれば、金融システムの不安材料とはならないと説明し た。経済回復は融資の増加をもたらすものであり、日銀の収益を支えるものともなるという。
さらに黒田総裁は、もしも国債利回りが経済回復の見込み好転によって上昇するのなら、日本の金融機関はこれによる損失に対応する十分な弾性を持っているとの見方を示した。ただ国債利回りの上昇が、日本経済の改善によるものでなく、日本の財政状況に対する不安によるものなら、日銀は対応策を講じる必要があるともした。
黒田総裁は26日の講演で、下落傾向にある日本の株式市場を奮い立たせようとする内容の発言を行った。黒田総裁によると、日本の資産価格は過熱してはおらず、バブル発生の兆候もない。日本の金融機関は、資産の市場価格を高めるための過度なリスクは負っていない。黒田総裁はこのほ か、日本政府に財政改革を推進するよう呼びかけた。経済が回復しないまま財政改革が遅れれば、銀行にとってはマイナス材料となる。もしも経済が好転し、融資利益率も改善すれば、金利上昇は銀行業に影響するものとはならない。
日本の国債市場に対する支援を通じ、10年物国債の利回りは現在、1%以下に落ち着いている。10年物国債の先物価格も回復しており、超長期国債もおおむね同様の動きを示している。
だが日本の株式市場は27日、黒田総裁の発言にもかかわらず、取引開始直後から3%の下落となった。日本では今後1週間、4月の住宅支出や 消費者物価指数、工業生産データ、小売販売データなどの一連の経済データが発表される。市場はこれを材料に、アベノミクスの実際の効果を見極め、今後の方向を模索することになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年5月29日