安倍晋三首相はアフリカを歴訪中で、アフリカを訪問した日本で3番目の首相となった。日本はかつてアフリカを重視していなかったが、安倍首相は今やアフリカを「外交の前線」としている。日本の対アフリカ外交政策に、なぜこれほど大きな変化が生じたのだろうか?
8年間の時を経て、日本の首相が再びサハラ砂漠以南の南アフリカを訪れた。20年間に渡り低迷している日本経済の新たな成長源を模索することが、その主な目的の一つだ。
開発途上国の力と影響力は日増しに重要になっており、国際事業の重要な参加者、国際体制の積極的な建設者になりつつある。アフリカという世界で最も多くの開発途上国を持つ大陸は近年、「忘れられた片隅」から「希望の大陸」に成長している。森喜朗氏と小泉純一郎氏に続き3番目にアフリカを訪問した安倍首相は、アフリカで「アベノミクス」と呼ばれる成長戦略を実現させる原動力を求めようとしている。
安倍首相の今回のアフリカ3カ国の歴訪には、特別な理由があってのことだ。コートジボワールは西アフリカの物流拠点であり、高い経済発展の潜在力を持つ。モザンビークは豊富な天然ガス・石炭などの資源を有する。エチオピアにはアフリカ連合(AU)本部が置かれており、重要な政治影響力を持つ。今回の歴訪で、日本はモザンビークとコートジボワールに数億ドル規模の援助を約束した。安倍首相に随行した約50人の経済関係者は、10億の人口を有するアフリカで、日本企業の提携シャンスを模索する。
アナリストは、「アフリカに埋蔵されている豊富な資源と潜在的な巨大な市場を見据えると同時に、安倍首相はアフリカ諸国の持つ票に目をつけている。日本は来年の国連安保理非常任理事国選挙に参戦を予定している。アフリカは53カ国が国連に加盟しており、3分の1弱の票を握っている。ゆえに日本にとって、アフリカは必ず手にしたい場所である」と指摘した。
前回の非常任理事国選挙で日本は落選し、宿命のライバルであるバングラデシュに敗北した。次の選挙でも、バングラデシュは日本にとって最大のライバルだ。
安倍首相は昨年末に靖国神社の参拝を強行した。これは世界の正義に対する公然たる挑発、人類の良知を踏みにじる行為であり、中韓などのアジア諸国の強い反発を受けたほか、同盟国である米国でさえ「失望」を表明した。世界的に孤立に陥った日本は、国連選挙の自信を失っている。これもまた、安倍首相の活動強化を促した要因だ。
就任から1年余りに渡り、安倍首相は毎月少なくとも1回の頻度で外遊し、20数カ国を訪問した。これは歴代首相の中では稀に見る頻度だ。アフリカ3カ国とオマーンの歴訪後、安倍首相はさらにインド・欧州・中南米を歴訪し、その外交を推進・PRする予定だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年1月13日