オバマ大統領の訪日が近づいている。羽田空港から約10キロ離れた品川駅では、頻繁に巡視を行い、改札口の台に立ち四方を見渡す警備員の姿が見られる。
付近の警察署の警察官は、「10数日前から、24時間の厳戒態勢に入っている」と語った。
オバマ大統領の訪日中の安全を保障するため、日本の警察当局は1万6000人を動員した。東京の電車・地下鉄の主要駅では、早くからコインロッカーの使用が停止された。羽田空港のターミナル内のゴミ箱も使用が停止され、空港に通じる道路では24時間の臨時検査を実施中だ。在日米国大使館などの重要エリアでは、さらに厳戒態勢を強化している。警察当局はオバマ大統領の訪日中に、首都高の内環状線の大半の路線で、大規模な交通規制を行う。
神経を張り詰めているのは警察だけではない。遠く離れたワシントンで、甘利明経済再生担当相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を巡り、フロマン米通商代表部代表との協議を終えたばかりだった。双方は同問題で「相当な距離」を残し、膠着状態が打破されることはなかった。
日本メディアによると、先ほど米国のとりなしによりハーグで実現した米日韓首脳会談の後、オバマ大統領と安倍首相は部屋に残り会話を続けた。オバマ大統領は、今回の訪日がいかに評価されるかは、TPPの成否にかかっていると述べた。
これは日本の当局者を悩ませる要求だ。牛肉・豚肉・コメを含む5種類の農産物の関税撤廃を巡り、米国側が強硬な態度を示している。日本国内の反対の声は、自民党の支持層からのもので、軽率に妥協しがたい。米日関係の修復を急ぐ安倍首相の口ぶりにはこのほど変化が生じたようで、数字にこだわるのではなく長期的な視野が必要だと称した。しかし多くのアナリストは、オバマ大統領の今回の訪日前に、同問題に大きな進展が生じることはないと指摘した。双方は「重要な進展を実現した」といった評価により、場を取り繕うだけと予想されている。
日本が今回のオバマ大統領の訪日により得ようとする成果には、両国の同盟関係の強化があるが、他にも中国けん制が悩みの種となっている。日本政府の消息筋は、「今回のオバマ大統領の訪日期間に、中国は避けては通れない話題になる」と語った。
一部メディアは、オバマ大統領の訪日の主な目的は、アジアの同盟国との結び付きの強化にあるが、中国との関係も同じく重要であり、訪日期間に敏感な問題を巡り、日本のために他国を名指しで批判することは難しいと分析した。
いかに米国から日本にとって有利な発言を引き出すか、いかに日本にとって有利な解釈をするかという問題は、安倍政権の外交チームをてんてこ舞いにさせていることだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年4月21日