間もなく北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会談で、中日首脳会談が3年ぶりに実現されるか否かは、オバマ米大統領の招待に次ぐ大きな見所になっている。
日本の首相官邸は北京での中日首脳会談の実現を促進するため、外務省を通さず中国と直接接触を試み、中日関係改善の積極的な姿勢を示している。日本側は「特使の外交」、「経済代表団の外交」、「劇の外交」、「幼馴染の外交」といった手を使い尽くし、安倍首相も秋季例大祭の靖国参拝を見送っている。しかしこれらの効果は限定的だ。
安倍首相が設定した目標は、前提条件なしの中日首脳会談の実現であるが、これは中国側の原則的な立場から大きくかけ離れている。中国側の圧力に対して、安倍首相は中日の間に釣魚島(日本名・尖閣諸島)の領有権に関する係争が存在することを認めがたく、任期内の靖国参拝停止を明言することも難しい。ゆえに首脳会談実現の障壁を取り払うことはできない。
安倍政権の中日首脳会談実現に向けた取り組みが、一方的なものとは言えない。中国もまた、必要な軟化の姿勢を示している。中国の外交部長は8月と9月の多国間協議の場を利用して2回の会見を実現し、両国政府も10月下旬に「防衛当局の海上連絡メカニズム」の再開に向け協議している。
安倍首相が7月に派遣した「特使」の福田康夫元首相は、習近平国家主席と会談することができた。日本側の情報によると、中国はその密会で、日本の戦略的動向、中国に対する意図について、率直に疑問を呈したという。これは中日のズレが主権・海洋・歴史を巡る係争のみに留まらず、戦略的な問題であることを反映している。
かつて中日関係に問題が生じた場合、常に「政冷経熱」という傾向があったが、今回はこの傾向が見られていない。日本を訪れる中国人観光客数は記録を更新し続けているが、中日の貿易・投資・技術協力の急激な縮小の流れを覆い隠してはいない。これは東アジア経済の回復、改革・調整、地域内の協力に大きな悪影響を及ぼしており、アベノミクスの効果を必死に守ろうとする日本にとっては痛手になっている。