日本海上自衛隊の2隻の駆逐艦、フィリピン最先端の護衛艦が5月12日、南中国海の海域で合同演習を実施した。南中国海問題が膠着状態に陥る中、日比両国がこの係争が存在する敏感な海域で合同演習を実施したことで、南中国海情勢の緊張を激化させたことは間違いない。またその前日、フィリピン国軍のカターパン参謀総長は大勢の記者と軍関係者を率いて、フィリピンが占拠している中国の南沙諸島(スプラトリー諸島)の中業島(パグアサ島)に上陸した。穏やかな南中国海の問題が再びエスカレートし、中国と国際社会の注目を集めている。(筆者:劉強 解放軍国際関係学院戦略・安全研究所執行所長)
日比は「合流」することで直ちに同調したが、これには相互の需要が存在する。フィリピンは南中国海問題で理論的な根拠と実力を持たず、米国という大樹に寄る他に多くの地域内の国と協力し、虚勢を張ろうとしている。フィリピンは今年に入ってから、合同演習により国際舞台で注意を引いている。今回の日比による海上合同演習は、穏やかではない南中国海の「火」に油を注ぎ、緊張ムードを醸成した。
日本は南中国海の地域外の国であり、その問題に手を出す資格はない。しかし南中国海情勢の近年の緊張化に伴い、外部勢力を抱き込み南中国海の局面を乱そうと夢中になっていたフィリピンは、日本政府に絶好の機会を与えた。日本はフィリピンに頻繁に歩み寄り、南中国海の安全問題でより大きな役割を演じようとしている。今回の日比海上合同演習は、一つの「探り」である。