資料写真:印度を訪問する野田首相(12月28日)
インド外務省の元高官がこのほど、「2012 アジアのラブストーリー」というロマンチックな題名の文章を発表した。中国の発展による「共通の脅威」を前に日本とインドの関係は新しい1年、更に接近し、アジア版の「ラブストーリー」を演じるだろうとしている。
日本の野田首相はインドを訪問したばかり。日印国交樹立60周年の今年、両国は初の海上合同軍事演習を行う予定で、その緊密な協力に注目が集まっている。
日本人はインドに特殊な感情を持っている。古代日本人の天下三分観は、中国、インド、日本を天下の3つの柱だったが、明治維新後、日本のその考えに変化が起きる。3つの柱が欧米、中国、日本に変わり、インドは除外されたのだ。
今日の日本とインドは共通の目標と追求がいくらでもある。両国はいわゆる「大国志向」を持ち、政治大国となり、国連安保理の新常任理事国になるという明確な目標がある。両国はいずれも伝統的な海洋国で、海洋戦略が国家戦略の重要な位置を占める。地理・政治上、日本もインドも中国の友人を敵とする傾向がある。例えばインドの宿敵はパキスタン、日本は朝鮮を最大の脅威とみている。
ただラブストーリーは往々にしてロマンシックではあるが現実問題を見逃しやすい。まず、インドと日本の文化的な相違、例えば東アジアの文化と南アジアの文化の距離がある。インド仏教は小乗仏教で、教範の厳守にこだわるが、日本の仏教は大乗仏教で僧侶は妻子を持て、武器を手にしたこともあり、かなり世俗化している。日本人の生活のリズムは速く、インドはスローだ。インド人の性格は豪快で、日本人は控え目だ。両国の経済環境と発展レベルに至っては大きな違いがある。バックグランド、生活スタイル、個性がまったく違う二人の間に愛情が芽生えたとしても、結婚、つまり政治・経済面での協力となると、家柄の違いが問題になる場合が多い。