同時に、インド海軍が海上自衛隊と合同軍事演習を行うのは、インドの「東方に向けた戦略」と無縁ではない。ある一定期間、ベトナムや日本、韓国、シンガポールなどとの防衛協力は中断されておらず、毎年数多くの名目の合同軍事演習を行っている。ある専門家は、日印の今回の単独合同海上軍事演習は、日本国内の一部の政治家の願望に合致すると指摘する。インドをアジア太平洋地域において「強硬」にさせることで、ある国と「対抗」し、「東アジア大国としての役割」を発揮できるようにする、というものだ。
だが、インドの東方への拡張が日本を戦略的空間から押しだすことに目を向ける必要がある。実際、日本も非常に理解していただろうが、麻生太郎氏が首相の時、シン首相は「日印安全保障協力共同宣言」に署名し、外相と防衛担当相を含む各層の対話メカニズムと、アジア太平洋地域情勢に関係する情報交換などアジアの多角的枠組み内における協力関係を確立したものの、実際に実施するに当たっては、書面上に留まるものが比較的多く、実質的意義のあるものは少なかった。
今回の合同演習に目をやれば、日印両国が多元的な国際環境と異なる政治、宗教などの影響を受けながら、短期間にアジア太平地域においてより大きな貢献をするのは非常に難しく、その象徴的な意義が実際的意義より大きいことは容易に見てとれる。現在最もなすべきことは、「近隣」との関係を冷徹な気持ちをもって認識、しっかりと処理することであり、冷静に世界を観察、世界を分析することこそが最良の選択肢である。
(瀋陽軍区某訓練基地 左振祥、張永寧、胡建国の各氏)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月27日