人口は263万7421人。
主に広西チワン族自治区に分布しているが、湖南、雲南、広東、貴州などの省に分布しているものも一部いる。その居住状況の特徴は、全体としては分散しているが、集中して居住しているところもある。
ヤオ語を使用する。ヤオ語は漢語・チベット語系のミヤオ・ヤオ語族ヤオ語分支として分類されている。ヤオ語は3種類の言語の総称で、ミェン
(勉)語、プヌ (布努)語、ラキャ (拉珈)語という三つの方言に大別されている。各地のヤオ族の人たちの間では言語の差異が大きく、お互いに言葉が通じないくらいである。ヤオ族の人たちは日頃チワン語と漢語を使用することができる。
自民族の文字は持たず、漢語の文字を使用している。
ヤオ族の宗教信仰は比較的複雑で、自然崇拝とトーテム崇拝を行っている人もいれば、道教を信奉している人もいる。
ヤオ族は中国の長い歴史をもつ民族の一つで、ルーツは古代の「荊蛮」、「長沙武陵蛮」、「莫徭」、「蛮徭」であるとみられている。ヤオ族は
「勉」、「金門」、「布努、「拉珈」、「炳多優」などと自称している。それぞれ異なった生業や、居住地域、服飾、頭の飾りによって、数十種の異なった呼称がある。例えば、盤瑶、山子瑶、頂板瑶、花藍瑶、過山瑶、白コ瑶、紅瑶、藍テン瑶、八排瑶
、平地瑶、オウ瑶、茶山瑶、背簍瑶などがそれである。これらの呼称の中に「瑶」という字があるので、新中国成立後「ヤオ族」と総称されることになった。地域の自然環境が異なっているため、ヤオ族の社会経済の発展は非常にアンバランスである。人口の大部分は農業にたずさわり、林業と副業にもたずさわり、自給自足の自然経済を主とする。国の大きな支援のおかげで、ヤオ族地区の経済と文化事業は大きな発展を遂げた。
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