蘇州の古典庭園


  江南(長江下流以南の地)の庭園は天下一、蘇州の庭園は江南一と言われている。蘇州の古い町は魚や米が豊かにとれる江南の地にあり、長江デルタ地帯の中央部、太湖のほとりに位置し、悠久な歴史をもつ有名な町となっている。紀元前514年、呉国の国王闔閭がここに都を築くよう伍子胥に命じた頃から、すでに2500年の歴史がある。したがって、蘇州の古典庭園の歴史は呉国の国王が都を定めた頃に遡ることができる。個人の庭園について最初に記録に残っているのは後晋(紀元4世紀)の辟疆園である。その後、歴代において個人の庭園がたくさん造られ、特に明、清の時代には盛んに造られ、最も多い時は200カ所余りも達した。最も完ぺきな形で保存されているものが数十カ所も残っている。そのなかで有名なのは拙政園、留園、網獅園と環秀山荘である。これらの庭園は構造が精緻で、文化的雰囲気に満ちていることによって、多くの庭園の代表格と見なされている。拙政園は明の時代の典型的な庭園で、池を中心として、橋と回廊で島や築山、あずまやを巧みにつないでいる。留園は構造がよくまとまっていて、装飾が精緻で、古代の調度類や部屋の扁額、対聯は文化的な雰囲気を漂よわせている。蘇州の古典庭園は邸宅と庭園を一体化にしたものであり、中国人の造園技術とその民族的特色を十分表わしている。蘇州庭園は1997年にその独特な魅力によって、ユネスコの『世界の文化遺産』に登録されることになった。

 

 

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