これが1980年代には「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)しなさいというように変わった。1960年代からの流れを考えると、こんな言葉がでるようになったのは明らかに後退である。しかも《権限委譲》ではなく、上位者が部下の仕事を抱え込むことになったのである。
1990年代にバブルが弾けるや、てんやわんやで、成果主義を振り回し、「ぼやぼやしていたら追い出されるぞ」という雰囲気を作った。恒常的長時間労働・不払い労働・有給休暇不取得、果てはパワハラなどが問題になるのは、まさに職場が荒れている。コミュニケーションもしばしば問題になる。
収益というものは、働く人の総合力にありという当たり前のことが、当たり前に展開されるように、働き方の《仕切り直し》をやろうではないか。とりわけ労使関係者の奮起を促す次第である。
奥井禮喜氏のプロフィール
有限会社ライフビジョン代表取締役
経営労働評論家
日本労働ペンクラブ会員
OnLineJournalライフビジョン発行人
週刊RO通信発行人
ライフビジョン学会顧問 ユニオンアカデミー事務局
1976年 三菱電機労組中執時代に日本初の人生設計セミナー開催。
1982年 独立し、人と組織の元気を開発するライフビジョン理論で、個人の老後問題から余暇、自由時間、政治、社会を論ずる。
1985年 月刊ライフビジョン(現在のOnLineJournalライフビジョン)創刊。
1993年 『連帯する自我』をキーワードにライフビジョン学会を組織。
2002年 大衆運動の理論的拠点としてのユニオンアカデミー旗上げ。
講演、執筆、コンサルテーション、インターネットを使った「メール通信教育」などでオピニオンを展開し、現在に至る。
高齢・障害者雇用支援機構の「エルダー」にコラム連載中。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年4月6日