安倍氏は2006年の第1次政権発足時、閣僚の政治資金問題により100日未満で退陣を表明した。いまの彼にとって最も重要なことは、手にした果実を守り、今年7月の参院選で勝利すること。
日本のメディアは、参院選まで安倍首相は対内政策で慎んだ行動をとり、軽はずみに危険を冒したり、驚くような行動をすることはないと予想する。多くの世論調査で国民の安倍内閣に対する支持率が高いことも、こうした戦略の効果をあらわしている。
ただ、自民党と公明党の連立政権内部では、すでに危険信号が出ている。憲法改正、自衛隊の集団的自衛権の行使容認など安倍氏の急進的な主張に公明党は反対している。憲法改正で自分の意見を通せば、連立政権の亀裂がさらに拡大する恐れがある。
外交分野では、TPP交渉参加から普天間基地の移設問題まで、米政府のゴマをすり、米国の「アジアへのリバランス」戦略において積極的に足掛かりの役割を演じている。
その一方、安倍氏は領土問題では強硬な立場をとり、歴史問題では極東国際軍事裁判所の審判に公然と疑問を投げつけ、周辺国との関係を緊張させている。
日本のメディアは、7月の参院選まで安倍氏は強硬派のシッポをひとまずしまっておくだろうと分析する。ただ仮に歴史を歪曲し、隣国と対立して選挙に勝利したとしても、日本の現政権のやり方では日本の国民に安心を与えられないし、国際社会の信頼を得ることもできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年4月7日