安倍首相は25日午前、マレーシアに向かう前に、「今回の東南アジア訪問により提携を推進し、力ではなく法律に基づく秩序を着実に構築する」と述べ、今回の「任務」を強調した。安倍首相は同日午後、マレーシアのナジブ首相と会談した。カナダのグローブ・アンド・メール紙は、「マレーシア・シンガポール・フィリピンの3カ国の3日間に渡る訪問は、日本と共通の民主主義・市場経済の価値観と理念を持つ国家との関係強化という、安倍首相の取り組みの継続だ。この外交の動きの狙いは中国抑制とされている」と伝えた。
産経新聞は25日、「参議院選挙の勝利が、安倍内閣の政策の実施を力強く推進した。安倍首相は自らが得意とする外交活動を再開し、野心あふれる地球儀外交を始めた」と報じた。安倍首相は先ほど、自らが率いる日本は「地球儀を俯瞰する多角的な戦略外交」を推進し、日本の国家利益を基本に据えると表明した。東南アジア訪問後、安倍首相は8月下旬に中東の4カ国を訪問する予定だ。エネルギー外交の他に、中東の平和問題において日本の「存在感」を示すことも、重要な内容となっている。安倍首相の「地球儀外交」に呼応するため、複数の閣僚も外遊を予定している。
安倍首相が「中国包囲」の論調を抑えていることは、「現実的な需要」と関わっている。フィリピンを除き、ほとんどのASEAN諸国が中国包囲を支持していないからだ。マレーシア紙「New Straits Times」は25日の記事の中で、「安倍首相は可能性のあるすべての盟友をあちこちで探しているが、日本の当面の急務は停滞中の経済の立て直しだ。景気回復が実現できなければ、日本は急速に発展する中国海軍と競争することも、対抗することもできなくなる。安倍首相はナショナリズムな傾向を抑えなければならず、そのような言論は米国とその他の友人を憤らせるばかりだ」と指摘した。インドネシアの英字新聞「ジャカルタ・ポスト」は、「安全の野心を求めればアベノミクスを犠牲にすることになるため、これを抑える必要がある。中日関係の変化は、アジアの協力に負の影響をもたらす。これは米国の政策にかかっているとも言える。しかしアジア諸国は日本に対して、緊張を歓迎しないとはっきり伝えるべきだ」と報じた。